まずわかっておいてほしいことは、単にクラブでレコードをまわし、ターンテーブルテクニックを見せることだけがDJではないという事!
これだけに憧れているとしたら、まずDJになることは難しいだろう。
お客さんの反応・空気を読む
クラブでは、お客さんをのせてうまく流れをつかむことはもちろん、お客さんの体調、照明や空調までも考えられなければ良いDJとは言えないのだ。
プロのDJは、ひとつのクラブでまわしているわけではない。
場所によって変わる音、針の状態にまで常に気を配っている。
慣れていない場所へ行って、レコードをまわしている最中に針が飛んでも、決して針のせいにはしない。
初めてまわすところでは、自分の針を持っていくことは当たり前!どんな状況にあっても、自分のプレイが出来るようにしておくのだ。
選曲を読む
選曲では、自分の好みもあるが、基本的にそのクラブのお客さんの雰囲気に合うようにする。
DJの選曲ひとつでその日のお客さんのノリが左右するといっても過言ではない。
また、同じ曲をかけるにしても、前後の曲とのつながりで、2倍にも3倍にも盛り上げることが出来る。
このようにクラブではお客さんとの駆け引きの連続なのだ。
だから、「テクニックを磨こう」とスクラッチばかり練習していたのでは決してお客さんを満足させるDJにはなれない。
ただ自分のテクニックを披露したいだけの自己満足で終わってしまうパターンだ。
クラブDJから世界へ
そして、そのクラブでの音楽と人間の感情反応、世界各地の過去から現在までの膨大な音楽を聴くことによって培われた音楽センスで、DJは今、プロデューサーへと変わりつつある。
楽譜が読めない、楽器が弾けないといわれているアメリカやイギリスのDJたちが、フレーズのサンプリングと指一本の打ち込みでスーパーヒット曲を生み出している。
それは、クラブで磨かれた音楽センスをプロデュース活動に活かしているからだ。
ほかのアーティストの楽曲をダンスミュージックに変えるリミックスもDJのセンスひとつで、ファンキーなものになるか、ならないかが決まってしまう。
いま、なぜDJがアツいのか
・プロデューサー、エンジニアがもっとアーティスト化する必要がる。
日本とアメリカの音楽業界の質には大きな差がある
それは、音楽プロデューサー、レコーディングエンジニア、PAなど音楽・音響で働く人たちに音楽専門教育を受けている人がまだまだ少ないことや、
電子機材に振り回されるオペレーターやマーケティング中心のビジネスマンに世界と競争する音楽は創れないといわれている。
だからこそDJが必要とされている
・どんな音楽が今ヒットしているか
・どんな音楽が今気持ちいいか
ダンスホールで音楽と人間の感情反応の関係を蓄積して、世界各地・過去から現在までの膨大な音楽を聴いて、リアルな反応の中で培われた音楽センスがプロデューサーに最適と注目されているのだ。