MiDiは音そのものだけではなく、演奏データだけを扱うため、ファイルの容量が小さい。だから、読み込みだけのCDとは違って、後からの加工が簡単にできる。
また、スタンダード・ミディ・ファイル(SMF)と呼ばれる統一のファイル形式ができたため、違う会社のハードでも、ソフトでも、同じ音が出せるようになった。
MiDiが生まれた背景
こうした背景から生まれたのがMiDiデータと呼ばれる音楽ソフトだ。
ここでは、例えばこんなことも可能だ。
クラプトンの演奏とそっくりの演奏データを第三者が作り上げてしまう。しかも、クラプトンよりはるかに低い演奏技術のものが。
市場規模が小さい
しかしながら、コンピューターソフト市場やCD市場と比べると、比較にならないほど市場規模が小さいことは頭にいれておいたほうがいい。
コンピュータばかりでなく電子機器にも付随する製品なので、大手電子楽器メーカーの中のひとつのセクションとか、子会社というところも多い。
また、ほかのコンピュータソフトを作りながらMiDiソフトも制作するというところもある。
企画から制作、営業・販売、流通とすべてを手がけることも多いが、MiDiデータの制作に関してはMiDi制作専門の会社に任せているところも多い。
打ち込まれたMiDiデータを複製して製品とするわけだ。
企画力が勝負
MiDi制作については、とにかく企画力がモノを言う。特に音楽の専門的な知識は必要ではないが、音楽愛好者たちの意識や今流行している音楽に敏感であることは重要な要素だ。
キーボード用のMiDiデータについて言うと、例えばピアノ・メソッド用のソフトからJ-POP、洋楽ポピュラー、イージーリスニングまで、とにかくジャンルが広い。
今までこんあものはなかったという独自性と、こんなものが欲しかったという消費者のニーズ。
その両方を満たすような企画を生み出すためには、自分のアンテナをいろんな方向に向け、どんなことにも興味を抱くような研ぎすまされた完成を持っていることが重要。