「エンジニア」とは、機械・電気などの技師の事。レコーディングエンジニアも当然そこに含まれる。
しかし、ただの技術屋だと思ったら大間違い。
高度な音楽センスが必要な、いわば「音の演出家」なのである。
歌入りの曲の場合、昔は歌とオーケストラによる生伴奏の同時録音であったが、現在ではボーカルや楽器の種類別に録音作業が進んでいく。
レコーディングエンジニアにとっての必須条件
そしてレコーディングエンジニアは、その音を聴きながら、別の楽器を入れたり録り直したりしていくのだ。
最近では、楽器の生音だけでなくパソコンやリズムマシーンで加工された音を扱うことも多い。
つまり、楽器や楽譜に関する専門的な知識を持っていることや、様々な音響機器の操作を十分理解していることは、レコーディングエンジニアにとって必須条件なのである。
リミックスダウン
録音が全部終了したら、今度は全体のバランスを考えてまとめるリミックスダウンの作業に入る。
音量やトーンの調整など、録音とはまた別の技術とセンスが必要になってくる。
素材をどう料理するか、まさに腕の見せ所である。
技術とセンス以外に大切なもの
しかし、技術とセンスが優れているだけでは優秀なレコーディングエンジニアにはなれない。
それ以外に大切なもの、それは他のスタッフとの協調性である。
アーティストやディレクターの意図を把握し、アレンジャー、プレイヤーが求めている音を理解する。
一つの音に対して、納得するまで何度もコミュニケーションを交わしていく。
その上で独自の音を作り出していくことが大切なのである。
体力と精神力
さらにもう一つ。1枚のアルバムが完成するまでの数週間あるいは数カ月の間、アーティストや他のスタッフと共に作品を作り上げていくには、
相当な体力と精神力が必要となってくる。
つまりサウンドだけでなく自分自身の管理も怠ってはならないという事だ。
レコーディングエンジニアは、レコード会社の社員またはレコーディングスタジオに所属していることが多い。
中には実績を評価されてフリーに転向した人もいる。その場合何より重要なのは、アーティストから信頼される人間関係を築けているかどうかである。