音楽の制作プロダクションは、レコード会社からのオファーにより、作詞家、作曲家、演奏家をチョイスして楽曲を提供したり、また広告代理店などの依頼を受けてCMの音楽を制作する。
また、最近では、カラオケメーカーから頼まれて、打ち込みのカラオケトラックを制作したりしている。
いずれにしても発注側のクライアントの意向に沿って音楽を作る会社だ。
何よりも大切なのは依頼側の意向
作り手の創造性は、自分の音楽的イマジネーションの表現よりも、依頼者側の要求に応えるという方向に向けられなければならない。
ここでCM音楽制作の流れを紹介してみよう。スポンサーから広告代理店へCM制作の依頼が来ると、さらに広告代理店からCM制作会社に依頼される。そこから音楽が発注される仕組みだ。
まず、CMのコンセプトについて、スポンサー、広告代理店、CM制作会社が企画を練り上げる。
企画がかたまり音楽の制作が必要になると、それに沿った音楽の方向性が検討される。
アコーステックなサウンドでいくのか、打ち込みで作るのか、昔のヒット曲などの有りものを使うのか、一口に音楽といってもいろいろな可能性があるので、どういう方向でいくのかは重要な問題。
方向性に応じて各担当に手配する
この方向性に応じて制作担当が作曲家、作詞家への依頼、歌手、ミュージシャンなどの手配を行ない、実際に音楽の制作に入る。
曲は、最終的にはスポンサーがOKしなければダメなので、いくつかのパターンを作って選択肢を示すことが多い。
ところで、こうした市場に敏感な曲作りのノウハウを活かして、制作プロダクションがヒット曲を生み出すケースも多くなってきた。
ノウハウを活かしたヒット曲
そのようにして生み出された楽曲には、詩や曲の展開などに時代性やリアルタイムの音楽嗜好が取り込まれ、うまく作られていることがわかる。
この全く新しいレコード創りの形態は、それまでのCDはCD会社が作って売るもの、という構図を変えてしまうほどの大きな勢力となっている。
