レコーディングディレクターの仕事は誤解されているかもしれない。
一般にはレコーディングスタジオで、アーティストをサポートし、レコーディングを取り仕切る仕事と思われがちだが、その部分は実は氷山の一角にすぎない。
時代とともに変わりつつあるレコーディングディレクター
また、従来はレコーディングディレクターはレコード会社の社員だったが、その部分も変わりつつある。
レコーディングディレクターは複数のアーティストを担当し、それぞれのレコーディングからプロモーションまでの一切をコーディネートしていく。
CD発売の年間スケジュール、作詞・作曲の選定と受注、レコーディングのスケジュール立てや予算調整、スタッフのコーディネート、そしてプロモーターとのプロモーション戦略作成などなど。
それらすべてがレコーディングディレクターを中心にまとめられていく。
また作詞・作曲を自分でこなすアーティストが増えてきた現在では、制作に行き詰ったアーティストの相談相手になり、
一緒にアイデアを考えたりするのもレコーディングディレクターの大切な仕事となってきている。
ときには新人アーティスト発掘も
もちろん新人アーティストの発掘も重要。レコード会社によっては、特別に「新人発掘ディレクター」というポストを設けるのも珍しくない。
レコード会社の新規採用は、レコーディングエンジニアなどの技術職を別にすると、総務、経理、営業など一般企業と同じような職種が目立つのだが、
それはレコーディングディレクターの仕事が、新人がいきなり担当してすぐにこなせるほど甘くはないということの証拠だ。
いろいろな部署の仕事を経験してからディレクターに就くというケースが多いのだ。
レコード会社が制作・販売を担当
「原盤制作会社」がレコーディングを行い、その原盤をもちにレコード会社が制作・販売を担当するシステムも一般化してきた。
また、A&Rシステムの普及でアーティストプロダクション所属のディレクターも主流になってきた。
フリーの人も増えてきており、この仕事を目指す道はレコード会社だけではなくなってきている。
フリーランスの時代
大学を卒業してレコード会社にレコーディングエンジニアとして就職するという形は最近はあまり多くはない。
それよりも、高校や専門学校、大学卒業後にタレントプロダクションでタレントマネージャーとして就職し、レコード会社からの
引き抜きでレコーディングディレクターになるという形や
アーティストとして活動していたが、限界を感じてレコーディングディレクターに転職というパターンも増えてきている。